これからのビジネス展望と移住者に向けたメッセージ【連載 第4回(全4回)】

地元だからこその良さと悪さ

地元を拠点にすることに迷いがない高橋さんに、東京などで働いた経験を含めて良さと悪さを聞いてみました。

「悪さというか、良い意味にもなるし悪い意味にもなるんですけど。やっぱり昔から知っている人っているじゃないですか。そこで本当によく思ってくれている人とか、そうではない人とかもいるかもしれないんですけど。そういう繋がりというのが、良い意味でも悪い意味でもずっと引きずっていくことはあります。

東京とかだと人間関係を変えたかったら、たぶんいくらでも変えられると思いますが、それでもないので。人付き合いの部分は上手くやっていかないとと思います」

1人1人がパフォーマンスを発揮できる会社を目指す

シェアオフィスの入り口には社名が掲げられている。高橋さんと社員の小原則也さん(右)。

それまで地元になかった会社を新しく作ったからこそ、距離感を大切にしている高橋さん。いずれは人をさらに雇用するなどことにも前向きだと話します。

「八幡平ともっと組んでいたいという考えはあります。前から考えていた婚活的なイベントとかもやっていきたいですし、人ももう少し採用していきたいというのもあります。ただ急激に大きくしたいという考えは全く無いです。少数精鋭でもいいので、1人1人がパフォーマンスを発揮できる会社にしたいです。ある程度自由に働けるというか。自分もそんなに管理したくない方なので。

仕事をしてもらって、その人たちが自分のやりたい部分を全力でやれるという。言われてやるとかの仕事って、苦痛じゃないですか。1日8時間とか働いているとすると、寝ている時間を差し引いたら、プライベートの時間より仕事をしている方の時間の方が長いと思うんですよ。まして、週5で働いたりとかすると。だからこそ、仕事は楽しんでほしいなと思っています。自分もサラリーマン長かったですから」


自身の経験も活かしながら人を育てることに前向きです。高橋さんに仕事へのモチベーションについて伺うと「自分に関わった人が幸せになってくれたらいいなというのが1番ですね」と笑顔で答えてくれました。

「例えば、婚活事業なら結婚したい人とか。今、気軽な街コンとかもあったりとか、お見合いとかもあると思うんですけど。それだと相手のことをよく知れないこともある。だったらもうちょっと長く、2泊3日とかで企画して知る機会を作る。そこでいい人を見つけてもらえたらなと思います。それによって幸せにつながる。

プログラミング学習事業は、プログラミングを学んで、手に職をつけたい人もいると思うので。そこで転職をしたり、起業をしたりして幸せになれたらみたいな。何か仕事をやったことによって誰かが幸せになってくれたいいなというのが、今の1番のモチベーションですね。結構感情移入しやすいので。昔から喜怒哀楽が激しいです。すぐに泣いたりとかもしちゃいますし笑 相手が元気でやってくれたら、自分もハッピーという感じです」

八幡平・東京・オンライン、それぞれの良さを活かす

現在はシェアオフィスとして起業家支援センターを利用している高橋さんですが、いずれは八幡平にオフィスを構えたいという想いもあるそうです。

「今はシェアオフィスを利用していますが、資料も増えてきたので早めにオフィスを構えたいなというのがありますね。それこそ八幡平には空いているお店といいますかシャッターが閉まっちゃっているようなところとか、貸店舗みたいなところがあるので。そこを借りたりとか。拠点はここ(八幡平)で、東京出張も組み合わせて。

東京で仕事をして、こっち(岩手)に戻ってきて分かったんですけど。仕事は東京の仕事の方がおもしろいし、刺激もいっぱいあるなと思いました。だから今も東京のクライアントさんと繋がって、行く機会をちょっと増やしたりとして刺激になるようにしています。今はオンラインで色々できるようになってきているのもありますし、それぞれの良さをうまく海合わせていきたいなと考えています」

移住する方に向けたメッセージ


人を大切にしている高橋さん。最後に移住する方に向けたメッセージを伺いました。

「移住を迷っている方は、もしかすると”仕事がないかも”と不安になってしまうかもしれませんが、探すとあるところにはあります。実際に、自分も盛岡まで通っていたこともあるので。最悪、盛岡まで通えば仕事はあると思います。八幡平は大きいので場所によって通勤ちょっとキツイということはあるかもしれませんが。

だから仕事に関しては、自分のやる気次第じゃないですけど、本当に探したいという気持ちがあれば、もしかしたら誰かの心を動かすぐらいの気持ちがあれば、そこで働くこととかってできます。自分がたまたまIT企業に入った時がそうだったので。そういう気持ちが大事で、自分から行動をして連絡を取ってみるとかはいいかなと。

住む分には本当に、最初すぐ家を建てないとしてもアパートだって安いところがいっぱいありますし。スーパーとか病院とかもあるので、そんなに苦労はないと思います。八幡平はそれこそ広いので場所によって違いはありますが、西根とかぐらいだったら全然住みやすいんじゃないかなという気はしますね

例えば現実逃避をしたくなった時も、色々行けるところはあります。私たち的には移住してくれたら、ウェルカムという感じですね」

高橋さんはいつもニコニコ爽やかな表情を見せてくれる印象があります。インタビュー中も笑顔を絶やさず丁寧に応えていただきました。スパルタキャンプに参加した人の中にも、高橋さんを特に慕う方が多いことも納得です。八幡平に根ざしながら進む高橋さんの物語はまだまだ続いています。

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text : Yuko Matsumoto