八幡平で暮らす人インタビュー
人に救われた田舎生活
引っ越してきて、ペーパードライバーから必要に迫られて車を運転し始めたり、方言がわからなかったり、戸惑うこともありましたがスムーズに馴染めたと言う大森さん。その理由の一つに“やっぱりね、お友だちに救われたかな”と話されました。「1番最初に来たときは、当然ながら知り合いがいなかったです。それで、旦那の友だちの奥さんが色々お世話をしてくれたりして。一緒にご飯を食べたり、車で送ってくれたり、忙しい家の方でしたが面倒を見てくれたんですよね。子どもが生まれてからは、農家のお友だちとか、保育所のお母さんたちのネットワークとかに助けられました。
家族も応援してくれて研修会などがあると“勉強してこいとは言わないけど、お友だち作っておいで”と出してくれたり。みんな協力的でしたね。研修会に行くと自然と出会いがあります。農業の生産者のお友だちができたり、子どもの成長に合わせて、保育所とか、学校関係からお友だちができたり。田舎暮らしの良さと言いますか、全くさみしくなかったです」
地域のネットワークの豊かさ
「最初は勢いでした。あまり何も考えないことが、いいことなのかはわかりませんが、考えすぎると進まないこともあります。私は、地域の人のネットワークに恵まれたこともあって、困らなかったと思います。だから、居られたのかもしれませんね」
人のネットワークが濃いことは、メリットも大きい反面、デメリットもあります。
「表現が難しいですが、田舎ほど人との関わりは多いです。街全体が大きなコミュニティになっている。例えば、たまたま会った時に“どこか行くの?”とか“出かけるの?”とか聞かれても、それは“こんにちは”とか“さようなら”という感覚の部類の言葉で、詳しく説明するものでもないんですけど笑。おせっかいされるのが苦手な人は、もしかしたら住みづらいかもしれません。
もちろん、東京には東京の良さがあって、田舎には田舎の良さがあると思っているので。自分が求めたいところにいればいいんだろうとは思っていますが」
最後に岩手ならではの人の特徴などがあるか伺うと、“優しさ”をキーワードに挙げられました。
「インターネットを通じて全国の友だちもいます。色々な土地の便利なところや不便なところを見ていますが、岩手ならではと聞かれると難しいですね。たまたま縁があって来ただけで、特に岩手や八幡平にこだわりがあったわけでもないのですが、ただ、人が優しいと思います。みんな優しいですね」
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text : Yuko Matsumoto