八幡平市指定無形民俗文化財「横間虫追い祭り」が行われました

伝統を守りつないでいく


始まりは200年以上前

2024年7月21日

八幡平市打田内横間集落で、「横間虫追い祭り」が行われました。


江戸時代、天明の大飢饉で人々が苦しんでいるとき「五穀豊穣」と「悪病退散虫追

い」を唱え集落を巡ったのが始まりとされています。




五穀豊穣を願い行列

稲わらで作った一対の人形を掲げ、鍾や太鼓で調子を取りながら

「五穀豊穣、稲虫はらえ、豊作祭りやー」と唱えて集落内を練り歩きました。




行列は横間と隣の曲田の地区の境までです。

晴れて暑い日でした。皆さんおつかれさまでした。

木陰に入って、ネギに味噌をつけて食べ、無病息災を願いました。


藁人形は、来年の1月15日どんと祭で拝んで焚き上げます。



今年も「横間の虫追い祭り」が無事終わりました。


伝統をつなぐ

親子で参加した畠山長(たける)さん(小学4年生)と

長月(なつき)さん(小学1年生)の兄弟は

「これまで何回も参加している。歩くところが楽しかった。」

「味噌をつけて食べたせんべいは美味しかった。」と

元気いっぱいに話してくれました。来年の参加も期待したいです。



(左手前から)畠山長月さん、長さん、(後ろ)お父さんの長太さん



しかし、横間の集落は高齢化が進み後継者を育てることが急がれていて、

横間虫追い祭り保存会会長の畠山修悦さんは「来年以降も続けていきたい。」

「若人たちにも人形の作り方など少しずつ教えている。

自分たちは(高齢になって祭りを)やることも限界にきている。若い人たちに

渡さなければ」次世代につなげていきたいという強い思いが伝わってきます。





ちなみに・・・

準備は前日 縄を綯(な)うことから

藁人形は、お祭り前日、稲わらで縄を綯(な)うことからはじめます。

綯(な)った縄で人形の手足など男女一対分のパーツを作ります。

そして翌日、お祭り当日に人形を組み立てていきます。リンドウを飾り、

顔を描いて、体に菰(こも)を巻き、男人形には刀を差します。

材料はすべて土地のものです。

縄を綯うのはなかなか難しく経験を積んでいるからこその技といえるようです。



人形に担ぎ棒の付け方を教える畠山修悦さん


次の世代へしっかりバトンが渡され、これからも横間虫追い祭りが続いていきます

ようにと願います。